「介護予防」なのに利用基準厳しすぎ」

「介護予防」なのに利用基準厳しすぎ…厚労省、4月緩和へ

厚生労働省は、将来的に介護が必要となる恐れのある「特定高齢者」が
市町村の筋力トレーニング教室など介護予防事業に参加しやすくするため、
利用者の判定基準を緩和することを決めた。
体調や認知症に関するチェックリストの該当項目数を減らすとのこと。


予防効果で介護が必要になるお年寄りを減らし、介護給付費の抑制に
新基準は4月から適用される。

「特定高齢者」とは
要支援・要介護になるおそれのある高齢者のことを言います。
毎年健診とあわせて実施される生活機能評価で、“要支援・要介護に
なるおそれがある”と認められれば「特定高齢者」となります。

また、要介護認定で「非該当」(自立)という結果であった方は
生活機能評価を受けることとなっており、ここで“要支援・要介護になる
おそれのある”と認められれば「特定高齢者」となります。

本人や家族が地域包括支援センター等に相談して、生活機能評価を受ける
こともできます。特定高齢者と認められれば、市区町村の「介護予防プログラム」
を受けることができます。


この介護予防事業は、予防重視への転換を図る介護保険改革の重点課題として
昨年4月にスタート。全国の市町村が実施主体となり運動や食事指導教室を開催し、
事業費には介護保険から支援金が拠出されている。


利用希望者は、運動や食べる機能など25項目のチェックリストを
医師に提出する必要がある。


この制度を利用できる「特定高齢者」は、鬱病(うつびょう)関係を除く20項目について12項目に該当しなければならない。しかも「転倒に対する不安がある」など運動機能に関する5項目▽「お茶や汁物でむせる」など食べる機能に関する3項目−に関しては、すべてに該当しなければならないという厳しい条件が課せられている。このため登録者は65歳以上の0.43%(昨年11月時点)に過ぎず、利用者もわずか0.14%。目標の5%を大きく下回り、市町村から「基準が厳しすぎる」との指摘が相次いでいた。


そのため新基準では該当項目を12から10に減らすほか、運動機能5項目中3項目▽食べる機能3項目中2項目−に該当すれば対象になるよう条件を緩和する。厚労省は「予防事業への参加者が65歳以上の5%になるよう道筋を付けたい」としている。


参照:産経新聞[2007.3.5]