昔語りの効果について

認知症治療に対しての非薬物治療について

認知症の治療や予防には薬を使わない方法がさまざまあります。
代表的なものをあげると、精神療法・音楽療法・絵画療法などがこれにあたります。

これらは、各種芸術療法、学習療法、園芸療法と呼ばれておりこのなかに
「回想療法」と呼ばれれる、簡単に家族や友だち同士でできる治療法があります
この「回想療法」は、1960年代アメリカの老年精神科医、ロバート・パトラー氏が
「高齢者の人生史に敬意を持って耳を傾けること」を基本にあみだした心理療法
です。その後世界中に広まりを見せ、近年認知症の治療や予防法として、
わが日本でも広く積極的に行われるようになった治療方法です

具体的には、10人程度のグループをつくり、各回にテーマをきめて
1回約1時間程度を周1〜2回、複数の治療者がグループをまとめ回想を
行っていきます。この治療のよいところは、同じ時代を生きた人同士が
この回想で、体験を分かち合い、回想し語り合うことが脳を刺激し活性化させ
生活の質を高める効果があると考えられています


回想療法の効果

この回想療法を受けることによって、表情が豊かになったり気分がよくなったという
治療者が出てきます。また意欲の高まり、周辺症状の軽減などの効果のほか
認知機能が改善されたという見解があるようです

この、回想療法は、参加する本人はともかくも、介護する家族が家族史や対人関係の
再認識をするといった効果も出ているようです。最近どうしても昔のように
家族としての絆が太くなくなおさら親せきなど身内との関係が疎ましくなりがちですが
この回想療法のおかげで見直すことができます。また本人の能力の再認識が
されるようです。「高齢者の人生史に敬意を持って耳を傾けること」これが重要です